PFCバランスの計算方法|男性の減量期の目安を4ステップで解説

「ダイエットにはPFCバランスが大事」と聞いても、実際に何をどう計算すればいいのか分からない。そんな男性は多いと思います。この記事では、PFCバランスの計算方法を、男性の減量期を前提に4つのステップでかんたんに解説します。

先にお伝えしておくと、食事がうまく整わないのは、あなたの意志が弱いからではありません。「何を、どれくらい食べればいいのか」という基準がないまま頑張っていることが、多くの場合の原因です。

僕自身、かつては極端な食事制限でリバウンドを繰り返していました。栄養学を学び直してから、食事を「我慢」ではなく「数字の目安」で組み立てるようになり、9か月で22kgの減量につながりました。この記事で分かることは、次の3つです。

  • PFCバランスとは何か、なぜ男性のダイエットで計算する意味があるのか
  • 減量期のPFCバランスを自分で計算する4つのステップと計算例
  • 計算した数字を、忙しい毎日の食事に落とし込むコツ

PFCバランスとは?男性のダイエットで計算する意味

PFCバランスとは、食事からとるエネルギー(カロリー)のうち、3つの栄養素がそれぞれどれくらいの割合を占めているかを表したものです。

  • P(Protein):たんぱく質。筋肉や体をつくる材料。1gあたり約4kcal
  • F(Fat):脂質。ホルモンや細胞膜の材料になり、エネルギー源にもなる。1gあたり約9kcal
  • C(Carbohydrate):炭水化物。主に体や脳を動かすエネルギー源。1gあたり約4kcal

カロリーだけを見ていると筋肉まで落ちやすい

ダイエットというと、まず「カロリーを減らす」ことを考える人が多いと思います。もちろん総カロリーは大切です。ただ、同じ2,000kcalでも、たんぱく質が少なく脂質や糖質に偏った食事と、たんぱく質をしっかりとった食事とでは、体の変わり方が違ってきます。

たんぱく質が足りないまま食事量を減らすと、脂肪と一緒に筋肉も落ちやすくなります。体重は減っても、体がたるんで見えたり、リバウンドしやすくなったりするのはこのためです。

「何をどれだけ」の基準ができると迷わなくなる

PFCバランスを計算しておく一番のメリットは、食事の判断に迷わなくなることです。「今日はたんぱく質が足りていないから、夜は魚を足そう」「脂質が多めだったから、明日の昼は揚げ物を控えよう」と、具体的に調整できるようになります。情報が多すぎて何が正しいか分からない、という状態から抜け出すための「自分専用の物差し」と考えてください。

男性のPFCバランスの計算方法|減量期の目安を出す4ステップ

ここからは、実際の計算方法です。電卓かスマホがあれば5分ほどで出せます。なお、ここで紹介する数字はすべて目安です。体格や活動量によって合う量は変わるので、まずは出発点として使ってください。

ステップ1:1日の目標カロリーを決める

最初に、体重を維持するためのカロリーの目安を出します。

  • 維持カロリーの目安 = 体重(kg)× 30kcal(デスクワーク中心の場合のざっくりした目安)

減量期は、ここから300〜500kcalほど減らした数字を目標カロリーにします。立ち仕事や外回りが多い人、運動量が多い人は、体重×35kcal程度から始めてもかまいません。

大きく減らしたくなる気持ちは分かりますが、減らしすぎは空腹やストレスにつながり、長く続きません。1か月に体重の数%程度まで、たとえば体重80kgなら1か月に1〜2kg程度のペースを目安にしてください。

ステップ2:たんぱく質(P)の量を決める

次に、筋肉を守るためのたんぱく質の量を決めます。

  • たんぱく質の目安 = 体重(kg)× 1.2〜1.6g
  • カロリー換算 = たんぱく質(g)× 4kcal

筋トレをしている人は、範囲の中でも多めに設定するとよいでしょう。ただし、腎臓の病気などで食事の制限を受けている人は、必ず医師の指示を優先してください。

ステップ3:脂質(F)の量を決める

脂質は、目標カロリーの20〜30%程度を目安にします。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも、脂質はエネルギー全体の20〜30%が目標量とされています。

  • 脂質のカロリー = 目標カロリー × 0.2〜0.3
  • 脂質の量(g) = 脂質のカロリー ÷ 9kcal

脂質は1gあたりのカロリーが高いので、少し多くとるだけで総カロリーが大きく増えます。一方で、減らしすぎも体調を崩すもとになるため、ゼロにする必要はありません。

ステップ4:残りを炭水化物(C)にあてる

最後に、目標カロリーからたんぱく質と脂質の分を引き、残りを炭水化物にあてます。

  • 炭水化物のカロリー = 目標カロリー −(たんぱく質のカロリー + 脂質のカロリー)
  • 炭水化物の量(g) = 炭水化物のカロリー ÷ 4kcal

炭水化物は「太る原因」と思われがちですが、仕事や筋トレのエネルギー源です。完全にカットするのではなく、量を決めてとるほうが、体調も集中力も安定しやすくなります。

計算例:体重80kg・デスクワーク中心の男性の場合

イメージをつかむために、実際に計算してみます。体重80kg、デスクワーク中心で、週2回ほど筋トレをしている男性の例です。

目標カロリー

  • 維持カロリーの目安:80kg × 30kcal = 2,400kcal
  • 減量期の目標カロリー:2,400kcal − 400kcal = 2,000kcal

P・F・Cの内訳

  • たんぱく質:80kg × 1.5g = 120g(120g × 4kcal = 480kcal)
  • 脂質:2,000kcal × 0.25 = 500kcal(500kcal ÷ 9 = 約55g)
  • 炭水化物:2,000kcal −(480kcal + 500kcal)= 1,020kcal(1,020kcal ÷ 4 = 約255g)

割合にすると、P:F:C = およそ24%:25%:51%です。これが、この男性にとっての減量期のPFCバランスの出発点になります。

体重70kgならどうなる?

同じ条件で体重70kgの場合は、目標カロリーが約1,700kcal(2,100kcal − 400kcal)、たんぱく質105g、脂質約47g、炭水化物約214gが目安です。自分の体重で同じように計算してみてください。

計算が面倒だと感じる方は、LifeBuildingの無料特典「PFC計算」を使えば、体重などを入れるだけで目安を出せます。

計算したPFCバランスを毎日の食事に落とし込むコツ

数字が出ても、毎食グラム単位で量るのは現実的ではありません。忙しい男性でも続けやすい落とし込み方を紹介します。

たんぱく質は「1日3〜4回に分けて」とる

1日120gのたんぱく質を、夕食だけでとるのは大変です。朝・昼・夜にそれぞれ30g前後を目安に分けると、無理なく届きやすくなります。肉や魚なら手のひら1枚分(100g前後)で、たんぱく質はおよそ20g前後です。足りない分は、卵、納豆、豆腐、ヨーグルトなどで補いましょう。

脂質は「調理法」と「選び方」で調整する

脂質が多くなりやすいのは、揚げ物、脂の多い肉、マヨネーズやドレッシング、洋菓子などです。同じ肉でも、唐揚げより焼き鳥、バラ肉よりもも肉やむね肉を選ぶだけで、脂質はかなり変わります。「食べてはいけない」ではなく、「選び方を変える」と考えてください。

炭水化物は「主食の量」を固定する

炭水化物は、ご飯やパン、麺などの主食で量を決めるのがかんたんです。ご飯なら茶碗1杯(150g)で炭水化物は約55gが目安です。毎食の主食の量をある程度固定しておくと、計算しなくても大きくずれにくくなります。

最初の1週間は「記録」だけでいい

いきなり全部を目標どおりにしようとすると、続きません。最初の1週間は、食事記録アプリなどで今の食事を記録し、目標とどれくらいずれているかを知るだけで十分です。ずれが分かれば、どこを直せばいいかが見えてきます。

【体験談:PFCバランスを意識し始めた頃の食事の変化や、つまずいたことについて】

PFCバランスの計算でよくある失敗と見直し方

最後に、PFCバランスを計算して食事を整えるときに、つまずきやすいポイントをまとめておきます。

数字を完璧に守ろうとしてしまう

毎日ぴったり目標どおりに食べる必要はありません。1日単位で多少ずれても、1週間の平均でおおむね合っていれば十分です。外食や会食があった日は、翌日以降で少し調整すれば問題ありません。完璧を目指すほど、崩れたときに投げ出しやすくなります。

一度計算したら見直さない

体重が落ちてくれば、必要なカロリーも少しずつ変わります。また、計算式はあくまで目安なので、人によって合う量は違います。2〜3週間ほど続けて、体重やウエスト、見た目の変化を見ながら、目標カロリーを100〜200kcal単位で調整してください。体重が順調に落ちていれば、そのままで大丈夫です。

脂質や炭水化物を削りすぎる

早く結果を出したくて、脂質や炭水化物を極端に減らすのはおすすめしません。糖質の完全カットや1日1食のような極端な制限は、一時的に体重が落ちても長く続けにくく、リバウンドのもとになりやすいからです。ダイエットがなかなか続かないと感じている方は、30代男性のダイエットが続かない本当の理由と、続く人の5つの習慣もあわせて読んでみてください。40代の方は40代男性が痩せない5つの理由も参考になるはずです。

体調の変化を無視する

だるさが続く、眠れない、集中力が落ちたなど、体調に変化を感じたら、カロリーを減らしすぎているサインかもしれません。数字よりも体の声を優先してください。なお、持病がある方や、治療中・服薬中の方は、食事の内容を大きく変える前に、かかりつけの医師に相談してください。

まとめ

  • PFCバランスは、たんぱく質・脂質・炭水化物の割合のこと。筋肉を守りながら脂肪を落とすための「物差し」になる
  • 計算は4ステップ:目標カロリー → たんぱく質 → 脂質 → 残りを炭水化物
  • 目安は、目標カロリーが体重×30kcalから300〜500kcal減、たんぱく質が体重×1.2〜1.6g、脂質が総カロリーの20〜30%
  • 毎日の食事では、たんぱく質を分けてとる、脂質は選び方で調整、主食の量を固定する
  • 数字は完璧に守らなくていい。2〜3週間ごとに体の変化を見て見直す

僕がコーチングで大切にしているのは、「Be(マインド)→ Do(行動)→ Have(成果)」の順番です。PFCバランスの計算は、知識として覚えることが目的ではありません。「自分の体に合った食べ方を選べる人になる」ための道具です。まずは今日、自分の体重で目標カロリーとたんぱく質の量を計算するところから始めてみてください。

計算や献立づくりを手軽にしたい方は、LifeBuildingの無料特典「PFC計算」や「食事テンプレ」も活用してみてください。

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この記事を書いた人

ボディデザインコーチ 児玉 晃祐児玉 晃祐
ボディデザインコーチ/NSCA-CPT

自己流のダイエットとリバウンドを繰り返したのち、解剖学・栄養学・トレーニング理論を学び直し、9か月で22kgの減量に成功。フィジーク大会に挑戦し入賞。30〜40代の男性を対象に、食事・トレーニング・習慣化を一体でサポートするオンラインのボディメイクコーチングを行っています。

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